空飛ぶITコンサルタント

中小企業診断士が「AI」「パン」「補助金」について語ります

「仙台百貨店頑張ってる」と何故マスコミは書かないのか?

 

1.また自分で自分のクビ締めているマスコミ

3/24 日本百貨店協会から2020年2月全国百貨売上高概況が発表され、世間の耳目を集めました。概ね予想通りの前年度割れです。ロイター社は粛々と発表された事実のみを完結にまとめています。

jp.reuters.com

日経は下げ幅の大きい北海道の百貨店をピックアップ。

この下げ幅は衝撃的。

www.nikkei.com

 

西日本新聞は過激な見出し「4割減」なんて書いています。書くの止めロッテ...

ちなみに3月の予想の話。

www.nishinippon.co.jp

 この見出し止めたほうがよいですよ。これ見た側は何を思うでしょうか。

「やばー百貨店行って応援してあげなきゃ!」って思う読者の期待値何割ですか?

その辺考えてデスクは記事を承認しているのですか?

パニックを増長させるのがマスコミの仕事ですか?

2.仙台は頑張っている

マスコミの情報を見て「木を見て森を見ず」ではなく「森を見て分かったフリ」していることを非常に懸念します。

この場合はプレスリリースを自分の目で確かめるのが、正しい情報の捉え方です。

全国百貨店協会からのプレスリリースを見ると、地域別の売上高が載っています。概要だけじゃなくて、ここしっかり見てあげましょう。

すると...あれ?昨比からアップしている地域がありますねぇ。

f:id:yoshidaagri:20200326135715p:plain

https://www.depart.or.jp/press_release/files/0202N.pdf

それは仙台!仙台ですよ!

このコロナウイルス騒動の中で、百貨店の唯一の希望は仙台にあると言っても過言ではないわけです!(過言)

冗談はこの辺にしておいて、仙台が持ちこたえている理由をプレスリリースから分析します。

顧客別では、国内市場は前月より3.3ポイントダウンの7.8%減であったが、インバウンドは訪日客減により購買客数が68.3%減と大幅に減少した結果、免税総売上高は65.4%減となり、極めて厳しい結果になった。

来客ポートフォリオに対するインバウンドの割合が少ない場合、2月の下げ幅は相対的に縮小する事が成り立ちます。仙台は国内客をメインとした来客ポートフォリオを持っていることで間違いないでしょう。

仙台の百貨店って藤崎、三越、パルコ、エスパルが思い浮かびます。頑張れー!

www.fujisaki.co.jp

www.mitsukoshi.mistore.jp

www.s-pal.jp

sendai.parco.jp

3.考察

仙台百貨店の健闘の構図は、そのまま街の飲食業界、特にアルコールを提供する店に当てはまります。。地元客に愛されていた店は徐々に客足が戻りつつあり、逆にインバウンド頼りの店は青息吐息。それは1つの差別化、経営戦略ですから仕方ないのかもしれません。

但し1つ言えるのは、コロナウイルスは偶然としても、地政学リスクの面からみても、特定の国のインバウンド消費に売上を頼るのは少々...といえるでしょう。

近所の国は反日カードを国内政治がピンチになると切ってきますから。常套手段。

経営の脅威リスクとして考慮して、かつ対策も打ってあれば、このコロナウイルス禍でも耐えれるはずです。対策は販売チャネルの多様化。勉強になります。

さて最後にもう一度、仙台に話を戻します。

私の義父母は台湾旅行を4月に計画していましたが、行き先を変えて東北旅行に切り替えました。もしかすると日本国民から「東北はコロナウイルス患者が少なく安全」に見えるのかもしれません。
NHKの特設サイトでも「岩手」「山形」は患者ゼロです。なんと...

f:id:yoshidaagri:20200326141906p:plain

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/



以上。

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