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小学生低学年はショウワノート「ジャポニカ学習帳」をなぜ使うのか(シェアの秘密#1)

ヨシダです。今日は子供の授業参観に行ってきました。
国語の授業を参観しましたが、授業内容よりも子供たちが使っている紙のノートの使用比率が気になりました。気になった使用率No1.ノートとは、ショウワノートジャポニカ学習帳です。

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子供の生き生きとした授業の姿を見るのが、親としての授業参観の責務かなと思いつつ、上のジャポニカ学習帳をみんな使っているのが、気になって仕方ないのです。

そのシェアの理由を調査しました。

[定点観測]:参加した参観クラスでの資料率分析

うちの子がいるクラスの31人中、23人ジャポニカ学習帳を使っています。74.2%のシェアです。
私が子供たちと同じ年だったのは30年前、まだ昭和の時代でしたが、その頃もジャポニカ学習帳を使っていたと記憶しています。なぜジャポニカ学習帳だったのでしょうか。

[定量分析]:Googleトレンドを使った分析

小学生の学習帳のメーカー別シェア、特に統計が無かったので、まずGoogleTrendを使って調査しました。

ジャポニカ圧倒的ですね…小学校が入学式or始業式を迎える4月に向けて急上昇トレンドのグラフ構成です。これは「ブランド力」の強さと考えられます。 これだけで分析するのは強引ですので、Google adwordsのキーワードプランを使ってジャポニカ学習帳の検索ボリュームを調べてみましょう。

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campusノートと同じぐらいの「月刊平均検索ボリューム」を持っています。競合のcampusやキョウトクとと比べて「学習帳」という検索ワードで検索されているのが特徴ですが、圧倒的なボリューム差ではありません。但し「紙ノートをいちいち検索して調べる消費者が多くない」という仮説を得ました。

[定性分析]:消費者に対するヒアリング分析

なぜ小学生はジャポニカ学習帳を選ぶのか。ジャポニカ学習帳を選んだ消費者の親に直接ヒアリングをしてみました。

仮説1:マス目リードがついているノートが少ないから。

「十字リーダー」とは十字に分ける薄い線が入っているマス目の事です。消費者の話によると、学校から推奨されているとのこと。推奨=商品が備える必要要件になりますが、「十字リーダー」を持つノートの種類は少ないと消費者は話します。

仮説2:小学生低学年に商品を充実させるラインナップの強み

特に就学して間もない小学校低学年に向けてのライナップが充実している事が分かりました。ショウワノートジャポニカ学習帳学年別ラインナップをグラフ化すると明確になります
調査方法は:ショウワノートWeb(http://www.showa-note.co.jp/japonica/)から、「学年から検索」で1年生から6年生までクリックして、商品数を取得。
数量(その他):ジャポニカセレクション、ジャポニカカスタムを集計。

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商品数は学習科目が増えていく小学校3年生まで増加傾向ですが、その後は減少傾向になる事がグラフから読み取れます。つまり年齢層のターゲットセグメントは「小学校低学年」という6歳から9歳前後コアターゲットとして商品戦略を練っている、という証明になりました。

仮説3:長年のブランド戦略

消費者の親からのヒアリング内容に「私も子供の時に使っていた。ほぼ指名買い」という声が聞こえました。これは興味深い話です。
差別化ポイントのもう1つ「ブランド戦略」ジャポニカ学習帳GoogleTrendから強みを証明しましたが、48年の歴史と共に「親」から「子」に継承するブランド戦略を進めてきたと私は考えます。
今の親世代が子供の頃、30年位前のジャポニカ学習帳「ブランド戦略」、覚えている方はいるでしょうか。当時のCM動画をごらんください。

【懐かCM】1980~90年代 SHOWA ショウワノート ジャポニカ学習帳 ~Nostalgic CM of Japan~

答えは「広告露出による品質アピール」です。「水こぼしても大丈夫」「綴じ方の工夫で頑丈!」と品質メッセージを、インパクトのある踊りで視聴者に刷り込みます。いやはや、私もジャポニカ学習帳は高品質」刷り込まれたタイプでしょう。

[結論]:「ジャポニカ学習帳」は「親世代のブランドイメージ」が強み

子供が使う紙のノートは一般的に、子供に選択権はあると考えますが、親に決定権があるのですから「親世代のブランドイメージ」ジャポニカ学習帳購入に強く作用しているのはほぼ間違いないでしょう。昭和時代のジャポニカ学習帳のブランド戦略が今、世代を超えて再び開花しているとは素敵なストーリーです。
 
以上です。いかがでしょうか。次回もう少しジャポニカ学習帳マーケティングを深耕させようと思います。
 
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