空飛ぶITコンサルタント

中小企業診断士が「AI」「パン」「補助金」について語ります

消費者購入プロセスから見るSEO対策「AISAS」|中小企業xSEO #2

ヨシダです。

現実世界とEC世界の消費者購買プロセスモデルAIDMA」「AISAS」を紹介しながら、自社ホームページのSEO対策の必要性をご説明します。

f:id:yoshidaagri:20180428204543p:plain

[インターネット上での購買モデルはAISAS]

マーケティングにおける消費者購買プロセスモデルでは「AIDMA」の法則が有名ですが、インターネットの普及により、「AISAS」の法則へプロセス変更になりつつあると言われています。

f:id:yoshidaagri:20180502095833p:plain

AIDMA1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセス。
AISAS:2005年に電通から提唱・商標登録された、インターネット時代に適用した消費者心理プロセス。
AIDMAとAISASの違い「検索」「共有」の部分。例えば商品を購入する際に、SNSやコミュニティの口コミを検索して確認した事はありませんか?購入プロセスにおいて、この「検索」「共有」は他のプロセスと同様に重きを成していると言われています。

[AISASの活動と必須条件について]

次に活動とそれに伴うポイントをご紹介します。

f:id:yoshidaagri:20180502100156p:plain
参考:AISASマーケティング・プロセスのモデル化(http://www.j-s-d.jp/publication/SD_No8/8-10kondo.pdf)

AIDMAと共通の「注意」「興味」の説明は、AIDMAと同じなので省かせて頂きます。

「検索」

検索が重要視される理由は見ての通りです。必ずしも検索エンジンだけが、自社のWebへの訪問手段ではありません。しかし検索エンジンより太い流入経路を持つWebサイトは少数派ではないでしょうか。
競合に勝つため、消費者に選んでもらうために対策を打つ事は、Webビジネスをする上で必要不可欠です。

「購買」

検索で自社のホームページやECを選んで頂いた後、一番困るのは離脱です。https://www.statista.comに載っていた離脱理由のアンケートがありましたので紹介です。

表:Primary reason for digital shoppers in the United States to abandon their carts in 2016 and 2017

f:id:yoshidaagri:20180502100326p:plain

1位:高額な送料。
2位:見ていただけ。
3位:検索していただけ。
4位:送料無料ではないから。
5位:送料に気づいていなかった。
6位:配送が長すぎる。
7位:購入プロセスが長い。
8位:サイトが使いにくい
主な理由が2つ。「送料」の問題と「サイトの作り」の問題。まとめればWebサイトのユーザビリティそのものに離脱の原因があるということです。送料も結果的にカートに至るまでに、客に情報が伝わらない為に起きる問題ではないでしょうか。SEO対策も含めて対応すべき部分です。

また上統計はアメリカでの統計なので、私の知見を追加します。
私はEC導入支援の現場で、クライアントと話題になる離脱理由に「会員登録への心理的抵抗」があります。
配送する為の情報を入力している時点で個人情報は入力しているのですが、それでも会員登録をするとなると、客の「心の障壁」がぐっと高まります。

ゲスト購入の仕組みを作り、かつ会員のステージ毎に育成の仕組みを作るCRM的な発想も必要になると考えます。

「共有」

購入した商品が素晴らしい場合や、特に問題があった場合、消費者は情報を他の人に伝える行動を取ります。昔は井戸端会議程度の伝播力でしたが、現在はSNS等でブロードキャストする事が容易です。
共有が有効なのは、継続的に自社のサービスを使い続けてくれる消費者が、自社に良い情報を発信してくれるからです。


結論:検索が弱いと購買につながらない。

インターネット時代では、「検索で上位にランクインする」「御社の商品・サービスを見てもらえる」に等しいほど重要です。自社の製品、技術を誇れない会社は少ないでしょう。ならば売れない理由は「検索」への対策が弱いのではないでしょうか。

以上です。次回は「広告」と「SEO対策」の違いについてです。

 

ポチっとお願いします!

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村

閑話:新米診断士はタキプロへの参加のススメ

ヨシダです。昨日蜻蛉返りでタキプロ総会2018に出てきました。
そこで受験生支援団体「タキプロ」のメリットを再認識しましたので、その紹介。
受験生の方々は未来をイメージしてモチベーションアップに、フレッシュ診断士の方は今からでも加入のきっかけにいかがでしょうか。

f:id:yoshidaagri:20180429124815j:plain

 

[何かしたいよね、から始まったタキプロ]

診断士として「何かしよう」、1人では難しいから仲間で「何かしよう」、という動きは珍しいものではないですが、「何かしよう」という思いが受験生に向けられたのがタキプロ、と創始者の皆様談。

 

[好漢が集まる受験生支援団体]

気のいい人たちで溢れているのがタキプロです。
普通のフレッシュ診断士は、診断士協会に加入して研究会マスターコース活動から始めるのが定石ではないでしょうか。
協会の活動も忙しいのに、プラスアフルァでかつ手弁当の活動をしようというんだから、人が良くないとやらない活動です。
私が所属させていただいている9期の面々はタキプロの中でもフロンティア精神に溢れる面々なのか、数々の「改革」を打ち出して先輩の面々を唸らせていますが、フレッシュ中小企業診断士が、早速何かしてやろうぜ!と行動を起こせるの場がある、これがメリットその1です。
 

[ロールモデルになる先輩診断士に出会える]

中小企業診断士独占業務を持たないので、特に縦の「つながり」が重要と考えます。
「つながり」って結構重たい言葉ではありますが、そこまで仰々しく構えなくても、1年、2年上の先輩診断士が、今何をしているのかを知ることができて、直接あってお話を伺えるのが、メリットの2つ目です。
今回強く印象に残ったのは「所属企業の資産を活かした方が、診断士の活動をスケール出来る」という点。
おっしゃる通りだな、と。週末診断士独立診断士のすばらしい事例は数多見てきていますが、企業内診断士のロール事例はまだ少ないように考えます。その辺、企業内診断士会に入り、模索していきたい、と当面の目標が出来たのは収穫。
 

[聴く・話す・書くのスキルを得れる]

タキプロに加入したタキメンは、受験生支援を介して、診断士に必要とされる基礎能力「聴く」「話す」「書く」のスキルを磨くことが出来ます。
・「セミナー班」は話す力
・「勉強会班」は聴く力
・「ブログ・メルマガ班」は書く力
受験生の反応を見ながら、自らのスキルの立ち位置も確認しつつ、PDCAを回す事が出来るのが、メリットの3つ目です。
 
以上です。
 
 

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村

中小企業にはSEO対策が必要です!|中小企業xSEO #1

ヨシダです。そろそろ春本番といったところです。

今日は、「中小企業xSEO」シリーズの第一回目です。この記事のゴールはたったの1つです。
ホームページのほったらかしは、御社のためになりません

f:id:yoshidaagri:20180428204543p:plain 

[御社のホームページ、満足していますか?]

いきなり失礼します。御社はホームページをお持ちですか?これには結構手が上がる質問と思われます。
次に、御社は自社のホームページで、満足いく成果が上がっていますか?この質問はいかがでしょうか、そこまで手が上がらない質問と考えます。何故でしょうか

[ECは売れない、儲からない]

ECは、リアルなマーティングの柵から離れて、自社の商圏だけではなく日本中のお客様を相手に出来る素晴らしい手法です。こんな素晴らしい事はないですね!と2000年のはじめ頃に騒がれ話題になって久しいです。

今日、最初本屋だったAmazonが次第に成長し、なんでも手に入るインターネット上の百貨店となったのを始めを始め大手ショッピングモールが幅をきかせる世界となりました。
だから、自社ECでは売れない、そんな悩みがありませんか。

ショッピングモールに出店、でもロイヤルティが高く利ざやは少ない。そんな経験ございませんか?

[サービス業のECも同様に苦しい]

Amazonやショッピングモールでは売っていない商材を扱う企業さんも、いかがでしょうか。思いの外会員が集まらない。サービスが思った値段で売れない、価格で差別化しないと売れないし、値引きするから利益が圧迫されてやってられない、みたいな経験ございませんか。

[ECで届けたい消費者に適切な商品サービスの"情報"が届いていないから]

マーケティングコンサルタントが使いそうな紋切り型の言葉で失礼しますが、的を得た言葉です。御社の情報が、必要な消費者に適切なタイミングで情報が伝わっていないからECで売れない。これが事実ではないでしょうか。

インターネットの世界でも、適切なPR活動が必要な事はもちろんですが、インターネット特有のルールを遵守しなければ、情報が消費者に届くことはありません。ここにSEO対策の必要性その1があるのです。

[優秀な営業活動が運命を左右]

優秀な営業担当が、優良顧客を捕まえてくる、長期の付き合いに変化させる事ができればそんな綺麗なストーリーが描ければ理想ですよね。これがSEO対策の必要性その2です。

[そもそもSEOとは]

検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)と読みます。検索エンジンで上位に表示される事が目的の対策です

f:id:yoshidaagri:20180429120740p:plain

 もちろん、このこの記事をごらんの方は理解していると思いますが、リアル店舗とEC店舗では、消費者が店を選ぶ基準が違います

ECの場合、消費者は検索エンジンで上位に出てきたサイトを選ぶわけです。

対策をせずに、検索エンジンの下位でくすぶっているサイトには、客が来ないことを再度ご承知おき願います

今日は以上です。明日は広告とSEO対策の違いを説明します。

 

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村

Akippa(アキッパ)が拓く空き地シェアリングエコノミー

ヨシダです。
昨日、駐車場を探していたら偶然Akippa(アキッパ)にたどり着き、
購読メルマガを読むとAkippa(アキッパ)の特集をやっているので、触発されて整理してみました。

1.Akippaは空き地の有効活用

 

f:id:yoshidaagri:20180428061741j:plain

【事例】私のGW野球観戦の場合

ニーズ:借り手側
・野球を見に行く時、子供がまだ小さいので自家用車で行きたい。
 
ニーズ:貸し手側
・空き地はあるけど、有効活用できない。イベントなどで貸したいけど、設備投資があって踏み出せない。
 
市場:
・野球主催者側は、駐車場スペースを十分に確保できていない為に、ニーズを満たせない。
・空き地の有効活用が出来ず、遊休地化。
 
アキッパの狙い:
・駐車場は無いけど空き地があるなら、設備投資不要有効活用できる仕組みを作ればいいよね!

背景

・Akippaの起こりは、有休スペースの有効利用
一般的なコインパーキング業だと、一定の駐車場スペースを確保しなければペイしませんが、Akippaの場合、車1台分のスペースさえあれば「貸し手」になれます。
・一般家庭でも貸し手になれる道を拓いた駐車場シェアリングサービス
 例えば昼間は旦那が車を使うから、スペースが空いている、みたいなケースでも
 貸出時間を登録すれば、生活を阻害される事無く、駐車場業を行うことが出来ます。すごい。

【メリット】

貸し手、借り手共に簡単に利用できますよね。
貸し手
 スマホで空き地の写真と住所を登録するだけでOK。
 設備投資が不要(これがすごい!)。
 事前予約事前支払なので、金銭トラブルのリスクが不要。
借り手
 完全予約駐車場選択肢が増える。
 Akippa経由だと一般的な駐車場より安く利用できる
 コインパーキングのようなゲートバーが無く、1日借りれば出し入れ自由

【考察】

・住宅街の建設業駐車場需要を満たしてくれると考えます。
職人さんの車を止めるスペースは住宅街には限られていて、我が家の新築工事の際も駐車場探しに結構苦労されていました。ピンズドです。
・現状はイベント会場近くに、優良貸し手が集まる。これから使い方の提案が成長の鍵
Akippaの記事を見ると私は上記にある建設業駐車場需要かな、と。

www.akippa.com

たまにはポチッとお願いします!

 

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村

平成29年度補正予算「事業承継補助金(後継者承継支援型~経営者交代タイプ~)」

ヨシダです。
事業継承補助金の概要が経産省から発表になったので、まとめてみます。
予算は平成29年度補正予算額で50億。

【概要】

「後継者承継支援型~経営者交代タイプ~」は、(1)地域経済に貢献する中小企業者等による、(2)事業承継(事業再編・事業統合を除く)をきっかけとした、(3)経営革新や事業転換などの新しい取組を支援する補助金です。
 
(1)は、業態によっては対象にならない事を示唆していると考えられます。公序良俗に反しない業態であれば問題兄でしょう。
(2)は社内組織の改革だけではだめですよ。という件。社内の1部門を独立させ別会社にし、後継者を社長にする事は認められない可能性は否めません。この事例だと別の補助金対象になるようにも見えますが...
(3)は、だた後継者が会社をついで現状維持を図ってても、補助金の対象になりませんよ。という旨ですね。

【補助額】

8ページ表の抜粋です。

f:id:yoshidaagri:20180427082710p:plain

これは、興味深いですね。
経営者交代タイプ、M&Aタイプ両方とも、事業や拠点の廃止を伴う場合補助金上限が高まります。
これは察するに企業価値の低い業態から、企業価値の高い業態への自浄作用を促す狙いがありますね。
資料の挿絵を見るに、魚屋の先代から、魚を使った料理店への事業変更。
昨日ある居酒屋がこんな看板を掲げていました「元魚屋が料理店やってます!」

f:id:yoshidaagri:20180427082723p:plain

 
なお、ここまでドラスティックに革新しなくとも、以下の例でも良いようです。
客が欲しい商品を取扱い、多角化で売上増加というパターン。

f:id:yoshidaagri:20180427082817p:plain

 

【採択条件】

・認定支援機関が作成する以下の「確認書」が必要。
 1.地域に貢献する中小企業であること
 2.経営革新等の独創性
 3.事業期間中に継続的な支援を行うこと
・代表者の交代を平成30年中に済ませることが必要。
・後継者は一定程度の知識や経験を有している事が必要。
 つまりSEの私が魚屋の後継者に名乗り出て、料理店をやる!と言ってもNG。
 基準が「経営経験3年以上」「同業種勤務6年以上」「創業・承継研修受講者」のいずれかになります。

【採点基準】

10ページからの抜粋。内容は文面基準に譲りますが、新たな企業価値の創造が高得点につながるように書かれています。
① 新たな取組の独創性
・技術やノウハウ、アイディアに基づき、ターゲットとする顧客や市場にとって新たな価値を生み出す商品、サービス、又はそれらの提供方法を有する事業を自ら編み出していること。
② 新たな取組の実現可能性
・商品・サービスのコンセプト及びその具体化までの手法やプロセスがより明確となっていること。
・事業実施に必要な人員の確保に目途が立っていること。販売先等の事業パートナーが明確になっていること。
③ 新たな取組の収益性
・ターゲットとする顧客や市場が明確で、商品、サービス、又はそれらの提供方法に対するニーズを的確に捉えており、事業全体の収益性の見通しについて、より妥当性と信頼性があること。
④ 新たな取り組みの継続性
・予定していた販売先が確保できないなど計画どおりに進まない場合も事業が継続されるよう対応が考えられていること。
・事業実施内容と実施スケジュールが明確になっていること。また、売上・利益計画が妥当性・信頼性があること。

【応募方法】

企業単体でいきなり応募はNGです。

必ず認定支援機関に相談する必要があり、補助金対象の取組の新規性、実現可能性を確認してもらうと、応募が可能になるというフローです。
・興味のある経営者、後継候補者の皆さんは、まずは認定支援機関にご相談してみてはいかがでしょうか。

【総括】

M&Aを介した事業承継だと、更に補助金額が向上するのが興味深いです。地方都市のM&Aが促進される可能性もあるのではないでしょうか。
 
ポチッとお願いします!

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村