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中小企業診断士が「AI」「パン」「補助金」について語ります

パン屋かわら版(4月22日号)なぜパン屋に人は並ぶのか?店側の「生産力の低下」「採算性の向上」「志の変化」が見える。

「パン屋かわら版」はパンが好きな方、パンを作る職人さん向けに、パンのトレンドを情報発信するかわら版です。

1.今週のホットワード

毎週パン業界を騒がせるネタをお伝えするこのコーナー。1週間分のパン屋に関するツイートを蓄積し、分析した結果をお送りします
統計の力をお借りて解説する、新しい切り口のコーナーです。

1-1.「パン屋」wordcloud(ワードクラウド) 注目ワード!

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Keyword:「東京」「大田区

大田区民の私からすれば、大田区のどこだ!と気になるtweetが今週No1のリツイートGetです。住所は「大田区大森東1丁目」。これは平和島駅近くですね。

江戸味噌を使った高級食パンとはユニークで気になる所ですね。

1-2.頻出ワード 上位ランキング!

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 Keywords:「もりの里」

金沢大学病院、金沢美術工芸大が固まるロケーションの近くにパン屋さんがオープン。新潟大学五十嵐キャンパス近くにオープンした「ぱんや徳之助」さんと似たロケーション。これは流行りそうですね。分析したい!

yoshidaagri.hatenablog.com

2.最近オープンしたパン屋さん

[金沢城]COYA

こちらは金沢城公園近くにオープンしたパン屋さん。名刺のデザイン秀逸!

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[松江市寺町]Pilvi Bakes

なんと夜営業でアルコールまで出すパン屋さん登場!?と思いきや、現在は夜は中止のようです。残念。でも朝はパン屋、夕方から夜までアルコール店っていい組み合わせですね。24時間お店を有効利用できる営業形態。パン屋の店主とアルコールを提供するマスターの2人体制。おー。これはいいアイディア。

[吾妻郡中之条駅]ボン・ボヤージュ

これはいいパン販売店。障害者施設が運営しているとなると、私の中では応援度MAXですね。全国的な悩みとして、駅売店の跡地活用があります。特に地方の小さな駅でキオスクが持っていた機能は思った以上に多い。商品の提供だけではなくコミュニティを提供する場所としても重要でした。その復興は応援したいですね。

3.今週の座布団1枚Tweet

先週4/15日号では高級食パン店に並ぶ客(ニーズ)のセグメント分析をしましたが、今回は並ばれるお店側(シーズ)側に立った分析をしてみましょう。

  1. 損益分岐点を低く抑えたローコストオペレーションの定着(採算性)
  2. 労働力減少による生産力の低下(生産力)
  3. 経営陣の志の変化(方向性)

採算性

新たにパンを出店する経営者たちは、年を追うごとにより精緻な採算計画をしっかり練ってきているケースが多くなってきています。出店費用の融資をもらう時に採算計画を立てないとNGですよね。

また胃袋が小さくなりつつある日本において、売上の追及ナンセンスで、いかに費用を抑えるかかという部分に重心を置く経営がトレンドです。

採算性を重視する場合、いかに売り切ってロスを減らすか、という所が重要ポイントです。

結論は損益分岐点を下げる」事がトレンドということです。

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https://www.smbc-card.com/hojin/magazine/bizi-dora/accounting/sales.jsp

生産性

 

変動費の中で一番の悩みは「人件費」であることが多いでしょう。労働集約型のパン屋において生産力を左右するのは人です。

最近は賃金上昇だけではなく人手不足のために人材募集のコストもバカになりません。そして恒常的にパン屋は人不足です。

人が足りないと労働集約型のパン屋は生産力が落ちます。故にインストアベーカリーにおいて、パンの総数が世の中で減っていると考えられます。

方向性

パン屋さんの起業家のマインドにも変化があると思われます。

四六時中働いて売上を上げて、多店舗展開をしてという規模追及が経営目標の主流だった時代が終わり、夫婦で慎ましく過ごしていく程度の売り上げ確保を目指す起業ケースも増えています。規模を追求しないということは、「並ばないと買えない」ぐらいの数量しか作らないとも考えれます。

今週は以上です。