明治がらくた博覧会(林丈二)
ヨシダです。最近本を借りてきては期限になって返す悪いルーティンになっています。
最近読んだ本は、マーケット本でも経営理論でもなく、この本です。
文面は筆者のエッセイなのですが、挿絵に明治時代の広告や絵があり目に面白いです。
1.明治の広告は面白い
第一印象「文面は時代相応で固い」「挿絵で勝負している」広告が多いですね。
中には発明自体が面白いものもあります。中でも「蜜柑皮剥き器」が秀逸。
家庭に1台あってみなさん使うの?というシロモノ。「婦人小児衆と雖も容易に使用の便ありて」とのうたい文句なので、当時の蜜柑は皮が固かったのかなと想像してしまいます。
2.商標登録が明治時代からあったこと
牽引したのは高橋是清。私の中では大蔵大臣のイメージが強く、日露戦争では金策に奔走した姿が印象的です。高橋是清が初代特許庁長官に任官されたのが32歳だから驚き。
さて商標条例は明治17年に日本で施行され出願受付開始、明治18年に商標「膏薬丸薬」が登録されました。広告にも「専売特許」という文字がよく描かれているので、知財に関するトラブルは多かったんだな、と想像できますね。
3.ビリケンとキューピーが明治生まれのご長寿キャラクターであること
これも知りませんでした。ビリケンさんが明治40年、キューピーさんが明治42年生まれ。両方ともアメリカ生まれで前者が福の神、後者は愛の神だそうです。へぇ。
その後キューピーは中島董商店に大正12年に商標登録され、現在のキユーピー株式会社へとつながります。1998年にキューピー作者ローズ・オニール遺産財団から日本の著作権を譲渡された「日本キューピークラブ」から著作権侵害で訴えられたそうですが、原告の請求は棄却されたそうです。詳しくはこちら。
以上閑話でした。