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books review 7/100 嫌われる勇気(ダイヤモンド社)

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

「共同体理論、鍵理論、勇気付け」といった、現代社会の裏を突いた話がゴロゴロ出てくる本。結構読んで困る本。

 

例えば、「他人の目を気にせず、自らが変わるべき。他人は変えられない」という節。自分さえ変われば、世界が変わる、と。

 

アドラーの理論は最もなのだが、小生には、まあその志は意識せども突き通す事は中々難しい。自らが変わり、相手とは一線を引きながら要求に応え、裏切られれば大いに悲しむ。あれ?これで「OK,やってみよう!」と二つ返事出来る社会人は中々位ない。

 

また、自分の子供に対するアプローチも、私の根底を覆す。あくまで対等の関係を持ち、褒める/怒る/指導する事は、相手を見下す事になるからNG。ありがとう、と感謝の気持ちを伝える事が重要、うーん、どうやって育てるんだ?と疑問符で一杯になる。

 

私のような小人にはこう見える。このアドラー理論は、社会が全部180度変わらないと運用できないなぁ、と。文中に出てくる青年のように「身体と感情は別物」、その通りだよなぁ。

 

ただ、全面否定はしない。家族が食事後放置した食器を洗う時の事例は賛同出来る。

誰も気にかけず放置した皿を、ブツブツ文句言って洗うのか、鼻歌でも歌いながら洗うのかで、放置した家族のアクションは変わるだろう。故に自分が変われば、(狭義の意味での)世界が変わる、というのは正しい。だから、分からない事もないんだよな。

 

難しい本です。

 

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(これなんだろう。隣家の庭先になっていたけど)