a big fish in a small pond

ロードバイク、rails 、料理、写真、ガシェットでお送りします。

人材無く ビジョンも描けず TPP

改めて、私はシステムエンジニアというIT系で生業を持つ技術者である。TPPへ対する理解度は、「無いに等しい」状態。己の無知に危機感を覚え、やまけんさんのご好意により「現代農業増刊号:TPPでどうなる日本?」を手に入れ、本日読了。以下に浅見を記させて頂く。

TPP交渉への参加に向けた動きの中で気になる箇所は3つある。

1.全容が見えない巨大な協定TPPに対して、政府、財界人が自らの立場で局所的な論調を展開している。もしかすると広い視野を持って論じている方もいらっしゃるかも知れないが、マスコミのフィルターを通すと近視眼的な論調にまとまり、その結果、断片的な情報しか国民に伝わってきていない事。

2.TPPに対して、必要十分な論議も無く、論議をしても無駄だと言わんばかりに目隠ししてエイっとTPP参加に飛び込もうとする政府・一部官庁の動き。
確かに現政府政党のマニュフェスト2009年版第52項にはそれっぽい事が書いてある。但し「その際、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない。」と書いてある。

3.第一次産業に従事し、日々汗水を流す方々を悪者扱いし、TPP参加を一気に推進しようとした関係者の下策。

私は巨大なシステムを扱う生業である関係上、「分からないことに首を縦横に振る人間」、「リスクに対して状況を説明できない人間」、「全体を見渡せず、局所的な論調を展開する人間」を信用できない。その為、以下の違和感を覚える。

1.一部TPP推進派の掲げる論調は私にとって「信用出来ない」論調に映る。私にはこう聞こえる「よく分からないけど、私達のいる分野にとって得になりそう、だからTPP賛成です」と。

2.国益は二の次、政治的かつ打算的な動きで物事を進めようとする"一部の"政府関係者。

3.中立的な立場を保たず、鶴の一声で姿勢を決め、画一的な情報しか提供できない"多くの"マスコミ。

4.自分の意見を持たず、また自助努力もしない、現状に甘んじ、簡単に断片的な情報に踊らされる"一部"の国民。

私はこう考える。TPP参加によるリスクも十分に論議されないまま、また、参加後のビジョンも十分に国民に示せないままに参加に急ぐべきではない
もしTPPも含めて関税を撤廃する協定締結に推進するのであれば、協定を有利に活用できる「世界に打って出る」人材を育成し揃え、協定締結国の市場を、極端な物言いをすれば「どう料理するか」などと明確なビジョンを持ってから、初めて締結に向かうべきだと考える。ビジョンもないままに成功するプロジェクトは稀である。「TPPでどうなる日本?」を読む限り、アメリカにはそのビジョンがあり、意気揚々のようである。日本には締結後のビジョンがあるのか

また本の中でも論じられているが、「列車は走りだすから早く乗らないと間に合わない」という急かし方は酷いものである。目的地も定かではない列車(しかも特急で途中下車も出来ないらしい)に飛び乗る愚者の顔を是非みたいものである。そんなに急かされるのであれば、「訳の分からない協定はいい、逆に包括的な合意を日本が主導で作る!」位の気概を持ち、協定の交渉に臨むべきではないだろうか。

私は各分野の専門家では無いが、私のような凡人であってもTPP締結後は、駆け足で日本が今以上に世界に打って出ていかなければジリ貧になるのは分かる。
では日本に準備はできているのか。情報元は失念したが、数年前の新入社員へ対するアンケートで「海外で仕事をしたい」割合が減ってきているニュースを目にした。
世界で戦える、少なくとも意欲のあるビジネス人材も乏しく(私もその1人...)、協定をどう上手く使っていくかのビジョンも遠望も無い(有っても示せていない状態)。まさにTPP参加表明各国から見れば「カモネギの状態で、無条件で参加するには私は反対である。TPP協定を締結すると各国が「日本に国内市場を席巻されてしまうのではないか」という恐怖、いま日本がTPP参加国に抱いているのと同質の恐怖を与える事が出来て、丁度いい温度の"自由化"であると思う。