今月の読んだ本 「そうざい料理帖」池波正太郎
私にとっては、もしかすると氏の本領である歴史小説よりも、食の随筆のほうがしっくり来てしまう、と思えてきてしまう困った1冊。
この本は、大正・昭和の味の理解者であり美食家でもある氏が「高級料理はプロの業」とあくまで線を引き、簡単につくれる四季折々の江戸風「そうざい」を提案してくれる内容。
試しに賞味期限切れの生うどんが、我が家の冷蔵庫に眠っていたので、書の秋のそうざい項にある「豚肉のうどんすき」をやってみた。
1.鍋に水を入れ、日本酒を半カップ入れ、煮たす。
2.豚こまを適量を入れ、火が通った後アクなんぞ取らずに生うどんを投入。うどん玉がほぐれる寸前で鍋ごと食卓へ。
3.昆布だし4、しょう油1、みりん1のつけ汁で頂く。
所要時間10分。包丁不要のこのシンプル料理は、三石昆布と豚こまの旨み、酒とみりんの風味が素朴ながらもしっかりと主張しあって、氏の言葉を借りれば「まことにうまい」。
- 作者: 池波正太郎
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2011/01/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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